チェンマイで悠々として急げ!

カレン族の村から迷い出たクンター(爺様)のよれよれ、とぼとぼ「再生記」

2019年08月

1狂龍表紙横


☆明日9月1日(午前零時)〜5日(午後零時)の5日間。

★『「遺された者こそ喰らえ」とトォン氏は言ったーータイ山岳民族の村に暮らす』(今年1月刊行)
★『狂龍(クワンロン)』(今年3月刊行)
★『狂恋(きょうれん)in ニューヨーク』(今年5月刊行)

☆以上、Kindle版電子書籍「海外迷走三部作」の完結を記念して、第二弾『狂龍(クワンロン)』の無料キャンペーンを行います。

☆すでに購読して下さった読者の方々には誠に申し訳ないのですが、昨今の日本と隣国との関係悪化を見るにつけ、「国と国ではなく、人と人の繋がりに目を向けるべし」という想いが募り、敢えて中国での実体験をベースにしたこの作品をより多くの人に読んでもらいたいと考えた次第です。

☆内容については下の画像をクリックして、Amazonの「読者レビュー」を参考にしてください。

☆「そこそこ売れていたのに勿体ない」と言ってくれる友人編集者もいますが、多少の儲けよりも、隣国人個々の人間性を理解してもらうことの方が重要です。

☆その代わりと言ってはなんですが、読まれたあとはぜひ感想を、できれば辛口批評も含めて「Amazonレビュー」への書き込みをお願いできれば幸いです。

☆タイ、アメリカなど海外からの入手はこちらから。
https://www.amazon.com/CRAZY-DRAGON-Fiction-Po…/…/B07P6TWWH8

☆日本での入手はこちらから。

コーカイ


「ああ、あたし、もうダメ。今日からもう、日本語ダメ、タイ語もダメ、ぜんぜんダメ、教えられません。だって、彼が、彼が・・・別の彼女のところに行ってしまいました!ウェーン!」

思い返せば、すでに12年前。

ラチャパット教育大学日本語科の女子学生が、涙まじりの理不尽な「個人レッスン打ち切り」を通告した瞬間から、私のタイ語学習への情熱は冷却どころか、完全フリーズしてしまった。

その後迷い込んだ山奥の村では、文字の無いポーカレン語とカレン式発音のタイ語と超ブロークンな英語とが入り乱れて、くんずほぐれつ、七転八倒。

おまけに、こちらを金持ち日本人と勘違いして、怪しい家宝(?)の押し売りは来るわ、借金申し込み人は押し寄せるわ、黒豚や水牛の押しつけは後を絶たぬわ。

ええい、いい加減にしやがれい!

一切の雑音に耳をふさぎ、村でのサバイバルと日本語での本とブログの執筆に専念した結果、せっかく習い覚えた「コーカイ」(タイ語のいろはにほへと)なんぞも、すっかり忘れてしまった。

     *

ところが最近、バイクで山奥の温泉などを訪ねて走り回るようになって、はたと困った。

チェンマイ市街地周辺と違って、田舎にはないのですよお、英語の標識や看板が。

つまり、タイ語が読めないと何が何やら、どこがどこやらさっぱり分からんのである。

人に訊こうと思っても、犬や水牛やトカゲや象はいても、人の姿がまったく見当たらない。

そこで、はたと膝を打ったのですよお。

「そうだ京都行こう、も、もといタイ語を勉強し直そう!」

そういえば、あの有名なバイクツーリング・ブログ「GO! GO!キョロちゃん」の管理人Iさんも、わが山奥の宿にやってきたとき、そう言っておりましたなあ。

「タイの田舎でバイクが故障したり、事故にあったりしたとき、タイ語ができないとどうにもならない」と。

     *

そこで昨日、かつてはチェンマイ大学でも教えていたというタイ人のベテラン教師に頼んで、タイ語のおさらいをやってもらったところ。

ああ、なんとまたもや、あの恥ずかしい幼稚園レベルの「コーカイ」発音からやり直しという結果に相成った。

白板


文法


一番の問題点は、タイ語の5つの声調を中国語の「四声」と混同していたという点。

一見似ているようなのだが、これが大間違いだったというのですなあ。

ええい、面倒だ!

この教師は英語もうまいし、中国語もそこそこ喋るというから、一気に英語と中国語のミックス授業に切り替えてもらおうか。

とも思ったのだが、それでは田舎のタイ語看板は読めないし、タイ語で女性を口説く、も、もとい「泰日心の交流」という美しい長年の大望も果たせない。

うーむ。うーむ。うーむ。

と昨夜から唸り続けた挙げ句、今日は大雨だからバイクツーリングにも行けず、やむなくやっとるのですよお。

ゴーガイ(鶏のに)、コーカイ(卵のた)、コーコン(人のひ)・・・。

ああ、あのとき、あの女子学生が失恋さえしなければ。

ナッケー!(カレン語で困ったもんだ)


★クンター、本日のお薦め!


看板

言わずと知れたターニン市場のそばに、「ガガガ咲か場」という奇妙な名前の和風居酒屋がある。

ここで「炙りしめ鯖」をつまみにビアレオ(豹印ビール、タイ人はリオと発音する)なぞ飲みつつ、ふと酔眼をあげれば、細道を挟んだ向かい側の夜空に、白地に赤黒を配したなかなか洒落た看板が滲んだようにふわっと浮かび上がるのである。

「Bar夜食堂」

女将の名前はノッケウ(日本語でオウム)という。

    *

私の愛人である。

と言いたいところだが、非常に残念ながら10数年来の付き合いの娘のような存在だ。

かつては、チェンマイ門そばで「タイウエイ・ゲストハウス」という安宿の女将をしていた。

旦那のウイさんは元陸軍スナイパーで、優秀なシューティング・インストラクターかつガンスミス(修理職人)であった。

二人の幼い娘を連れて、わが山奥の村を訪ねてくれたこともある。

だが、きわめて悔しいことに、彼はまだ若くして先に逝ってしまった。

それから、おそらくさまざまな想いと葛藤があったことだろう。

そうして、今年の4月、ノッケウは「「Bar夜食堂」の女将として、再び復活した。

酒棚


ところで昨夜、ちと不思議な店名の由来を訊いたところ、「なるほどなあ」と唸らされた。

私自身は、小林薫が主演した「深夜食堂」というドラマのタイトルから取ったと思っていたのだ。

ところがノッケウは、こう言う。

「私はお酒を飲んでいると美味しいものが食べたくなる。そして、美味しいものを食べるとますますお酒が美味しくなって、夜がますます楽しくなるんです。だから、ついつい人にも『美味しい夜食、どう?』って勧めたくなってしまう。だから、夜食堂」

ね、なかなか温もりのあるネーミングでしょ?

    *

黒板品書きのとおり、良心価格である。
メニュー黒板


女性が一人で行っても安心できる健全な雰囲気だ。

外観


BGMのセンスも光っている。

何よりも、女将が元気なのがよろしい。

どうか、可愛がってやってください。

さて、今夜の酒と夜食、「Bar夜食堂」でどう?


★クンター、本日のお薦め!




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