昆虫色モスラ焼き


最近、「昆虫食」というのが世界的なトレンド(?)になっているらしい。

日本でも、わざわざレストランなどを借りて「お洒落な昆虫食パーティー」などをやっている人たちがいるようだし。

呆れたことに、「昆虫食自動販売機」なるものも急増しているそうだ。

発想の源は、将来の食料危機を見越したところにあるのだという。

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まあ、私自身、11年間暮らしたカレン族の村でさまざまな昆虫を食べてきた。

セミ、五本角カブト虫、オオコオロギ、竹虫、芋虫などなど。

そして、7年前に出版した『「遺された者こそ喰らえ」とトォン師は言ったーータイ山岳民族カレンの村で』(晶文社)という本の中でも、その栄養価分析レポートを紹介したり、冗談混じりに昆虫食を勧めたりしている。

しかし、現在になって、その行為がいかにも今後の食料危機を救うような論調で語られたり、その味を「おいしい、美味だ」などと手放しで褒めたりしている文章を読むと、「こきやがれ!」と呟きつつ苦笑せざるを得ない。

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少なくとも、私の食った昆虫は「オオコオロギのナムプリック」を除けば、決して美味いものではなかった。

そして、前述した各種の昆虫を獲るのは、夜間に村の外灯に集まって来るセミの捕獲を除けば、決して安全で容易なものではなかった。

昆虫が棲むタイの山奥には、今でもコブラなどの毒蛇やムカデ、毒蛾、各種の毒虫などが無数に棲んでいるのである。

それは、欧米や日本でも事情は同じだろう。

まさか、パリやニューヨークや東京で暮らすトレンドメーカーたちが、毎朝毎晩、自分で捕まえた昆虫を自分自身で調理するわけではあるまい。

従って、昆虫食を語るためにはまず、「一体、どこで、誰が、そんな大量の昆虫を捕まえるのだ?」という根本的な問題を解決しなければなるまい。

その問題に真摯に目を向けることなく、実際にタイからも日本に輸出されている「昆虫食」もどきを自動販売機で買って食すなどという行為は、失礼ながら「しゃらくさい」と言わざるを得ないのである。

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