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 昨日の記事で前触れした「スコータイ歴史博物公園」の記事であるけれど。

 あまりにも写真の数が多いために、このブログではとても紹介しきれない。

 そこで、Facebookビジネスページ「チェンマイ・フレンドリーカーサービス」の方にスライドショーの形で掲載することにした。

https://www.facebook.com/kunta2627/?modal=admin_todo_tour

 お手数ながら、上記URLをコピー&ペーストの上検索してご覧になってください。

 Facebookのアカウントを持っていなくても、私の記事は誰でも自由に読むことができます。

 なお、チェンマ発の情報誌『CHAO(ちゃ〜お)』での連載コラムが、去る12月10日号で最終回を迎えた。

 今日はここにそのコラム記事を転載して、すべてに区切りをつけたいと思う。

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 【オーマーチョパー!】

 これ以上は堪え難い事態に直面して、11年近くも暮らしてきた山奥の村をやむなく去ることになった。

 従って、これが最後の「クンター流カレン族生活体験」である。

 およそ5年半の長きにわたって当コラムを愛読し、さまざまなご支援をいただいた読者の方々、そしてわがカレン族生活体験宿「オムコイ・バンブーハウス」をはるばると訪ねてくださったゲストの方々に、心よりのお礼を申し上げたい。

       *

 ひとくちに10年といっても、実にさまざまなことがあった。この村にやってきたとき、私はまだ55歳だった。

 妻を亡くしたあと、抗鬱剤の副作用によって異様な躁状態に見舞われ、狂ったように無軌道な旅を続けたあとでチェンマイにたどり着いた私は、晩秋の冷涼な空気の中、ふと我に返った。妻が逝ってから、すでに3年以上の時が流れていた。

 そして、日本に戻るのか、このまま旅に身を委ね続けるのか、という岐路に立たされたときにひとりのカレン族の女性と出会った。

 彼女に強引に誘われて、チェンマイからバスで4時間半近くもかかる山奥の村に初めて足を踏み入れたとき。正直に言えば、「これはとんでもない所に来てしまったなあ」と後悔した。

 あたりはすでに深い闇で、当時はまだ外灯も整備されていなかった。

「とにかく暗い」という印象が強烈だったのである。

         *

 ところが、一夜が明けてみるとその印象は一変した。

 タイ人とは異なる村の衆の日本人に近い顔つき。竹で壁や床をしつらえた独特の高床式住居。

 庭では鶏が放し飼いにされ、細い道路を牛や水牛が道端の草を食みながらのんびりと歩いている。

 川向こうまで歩けば、一面の棚田の広がりである。そこには、稲刈りを控えた黄金色の稲穂が、香ばしい薫りを放ちながらゆったりと風に揺れている。

 村の衆は小さな川で魚を獲ってナムプリック(唐辛子タレ)にするというし、水を張った田んぼでとれるタニシやカエルも食糧になるという。

 時にはヘビやムササビ、コオロギやセミ、カブト虫なども食べるというのだから驚きだった。

 主食は、高地であるために一期作で作るジャポニカ米である。田植えは雨季に入った6〜7月、刈り入れは雨季の終わる10〜11月にかけて。まるで日本と同じである。

 そして、生きとし生きるもののすべての命をいただくことで、自らの命を保ってゆく。

 こうした自然に沿った生き方は、私に不思議な安堵感を与えた。

 さらに、目に入るまわりの風景のすべてが、少年期を過ごした昭和30年代の田舎を思わせる農村風景に重なり、私はなんとも言えない懐かしさを覚えたのである。

「ここでなら、生き直しができるかもしれない」と。

          *

 だがフリーのライターだった私は、30代の初めに重度な頸椎損傷を負った妻が50代の初めになって肺がんを発病して以来、妻の介護にかかりきりにならざるを得なかった。

 そして、妻亡きあとの狂躁の旅で、わずかに残った貯えも底を尽きかけていた。

 この場所で、カレン族の女性と新しい暮らしを始めるには、なんらかの稼ぐ道を見つけなければならない。

 牛の放牧、黒豚やナマズの飼育、バナナ畑の開墾、そして野菜の栽培。甥っ子のひとりにバイクの修理屋を開かせ、それが失敗したあとは村でクイティアオ屋を開いた。

 それも失敗に終わると、前述の宿を開くことになった。

          *

 ようやく、雀の涙ほどの年金支給が始まり、宿の経営を並行していけばなんとかひと息つけるのではないかと思った矢先に、宿を閉めざるを得ない事態が生じ、ついには私自身が村を離れるという最悪の事態に立ち至ったのである。

 まさに波瀾万丈ではあったが、悔いはない。

 慣れぬ環境の中で、やれるだけのことはやったのだ。

 あとは、この過去を振り切って先行きの見えない新生活を模索してゆくだけである。

 思い出は尽きないが、読者の方々のご健勝を祈りつつ、ここで静かに筆を措くことにしよう。

 オーマチョーパー!(カレン語でグッドラック)

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