玄関飾り

 ある家の玄関口に、天下を睥睨しているような勇ましい雄鶏の置物を見つけた。

 付近を見回してみると、斜め前の広場に丸い囲いのようなものが置かれている。

 近づいてみたら、数人の男たちがたむろして、木箱の中から面構えの鋭い雄鶏を引っ張り出しているところだった。

 訊いてみると、これから闘鶏が始まるのだという。

    *

 オムコイの町でも闘鶏を好むタイ人は多く、時おり、わが家にも「強そうな雄鶏」を求めに来る男たちがいた。

 ここと同じような土俵(闘鶏場)を設けている家もあった。

 だが、村のカレン族の衆は闘鶏は好まない。

 冷涼な気候の秋口になって男たちや子供たちが熱狂するのは、カブト虫を闘わせる「闘虫」なのである。

 従って、私も実際に闘鶏を見た事はなかった。
戦士

 用意が整ったのか、ひとりの男がたくましい褐色の鶏を抱えて、土俵の中に入った。

 続いて、白黒まだらの戦士も土俵に入る。

 2羽の戦士が向かい合うと、男たちがさっと手を離す。

 両者は、間合いを計るように毛の逆立った首を伸ばし、じっとにらみ合う。
戦闘開始

 2羽ともに、肩口や首のあたりに赤い傷痕が見える。

 歴戦の強者たちなのだろう。

     *

 なかなか、動かない。

 まるで、相撲の仕切りのようだ。

 息を呑んで見守っていると、数秒後にいきなり戦闘が始まった。

 カメラでは、とても追いつけない。

 動画に切り換えて、その激しい闘いの様を追った。

     *

 めまぐるしい攻防に見入りながら、ふと、こう思う。

 ああ、人生とは闘いの連続なんだなあ。

 今の私は、10年にも及ぶ村での「異境での闘い」を終えて、束の間の安息の日々を過ごしている。

 だが、残された時間は少なくなったとはいえ、これからも充実した生を生きる為には、この新たな異境で、新たなる闘いを始めなければならないのだ。

     *

 制限時間20分の中で、鶏たちは倦む事なく闘い続けている。

 背中を見せて逃げ出せば、その瞬間に敗者の烙印を押される。

 逃げる訳にはいかないのである。

※闘いの動画はFacebookで見る事ができます(以下のURLをコピー&ペーストで検索)。
 http://www.facebook.com/kiyoshi.yoshida.752?ref=tn_tnmn

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