タンブン

 早朝5時、友人がドアの外から声をかけて来たのでびっくりした。

 今朝も3時半に目が覚めていたので何も問題はないのだが、ローイクラトンをはさんだこの4日間、彼は早朝から深夜まで仕事に追われていたから、きっと疲れ果ててまだ眠っていると思い込んでいたのである。

 訊けば、今日は予約の最終日で、昼前にこのグループを空港まで送れば、とりあえずはお役御免なのだという。

 彼は、つい最近朝のウオーキングを始めたばかりなのだが、この4日間、歩きたくて歩きたくて仕方がなかったのだそうな。

     *

 今朝の気温は、26℃。

 空を薄い黒雲が多い、肌寒いくらいに冷涼な空気が心地よい。

 この時間、車の往来も少なく、のびのびと歩く事ができる。

 早朝から開店準備などに追われている顔見知りと声を掛け合いながら、しゃべりつつ進む。

     *

 気分がいいので、ついつい歩調が早くなり、距離がぐんぐん伸びて行く。

 振り返ると、友人が遅れている。

 おいおい、若いの。

 もう息が切れてきたのかい?

 だらしがねえなあ。

 その点、この爺様は高血圧や不眠症を抱えながらも、やけに元気なのである。

     *

 約1時間後。

 東の空から次第に明るんできた。

 閑静な住宅街に入ると、托鉢に回ってきた若い僧侶の前にひざまづいて、食料のタンブン(喜捨)をしている老若男女の姿が目に入った。

 遠目に見ても、その姿にはなにやら神々しいものが感じられた。

     *

 仏陀への参拝はともかく、素性もよく知らぬ僧侶に対して履物を脱いでひざまずくという行為は、日本人の私にとっては大いに抵抗がある。

 これは、一種の差別ではあるまいか。

 だが、タイの上座部仏教では、出家をして227もの厳しい戒律を守りながら修行を重ねた僧侶が在家者を悟りへと導き、在家者がそれをタンブンで支えるという考えが基になっている。
タンブン2

 従って高齢の在家者たちも、たとえそれが修行の浅い若い僧であろうと、夏休み体験出家の小坊主さんであろうと、おごそかにひざまづいて深々と両手を合わせ、にわか勉強の読経でも敬虔に受け止めるのである。
タンブン3

 不信心で不勉強な私には、タイの人々の深い信仰心の根源にまでは想いが至らない。

 しかし、何かをひたすらに信じて、それを毎朝のように倦むことなく実践する姿には、やはり人の心を動かすものがある。

 友と一緒のハッピーなウオーキングの途上に見かけたこの美しい光景は、私の心をさらにハッピーなものにしてくれた。

 おかげさまで。

 ありがとう。

 私はふと、誰にともなく、そう呟いていた。

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