店先点灯

 昨日は、長年お世話になってきた年下の恩人と久しぶりに再会することができた。

 彼が初めて私に会いに来てくれたのは、まだ麺屋をやっていた時期。

 確か、金欠のために母屋の建設が中断していた頃だったから、実に6〜7年ぶりということになる。

 そういえば、村の暮らしを描いた著書「『遺された者こそ喰らえ』とトォン師は言った』(晶文社)を上梓した直後のことでもあったなあ。

     *

 とは言っても、メールや電話を通じてある共同作業にはずっと携わってきたから、「旧交」という感じはまったくしない。

 軽い挨拶と共に、いきなりの本音トークと爆笑の渦が巻き起こった。

 実際に顔を合わせるのは、わずか2回目にしか過ぎないというのに、この人の前では、どうしてこんなに素直に話しができるのだろう。

 まるで、学生時代の友人とでもしゃべっているような感覚なのだ。

 私は今回の離村に至った経緯を、恥も外聞もなく、呆れるほどに赤裸々に、一切を包み隠すことなく彼に語り尽くした。

 彼もまた、相当に赤裸々に語ってくれた、ように思う。

 それが、どうにも不思議でならなかった。
     
     *

 だが、やはり「お互い、年を取りましたなあ」という実感は拭えない。

 とりわけ、私は彼よりも4歳ほど年長なのだから、その印象は彼の受けたものの方がより深く、強いものだったに違いない。

 それでも、お互いの悲惨(?)なタイ体験やタイ女性からこうむった甚大な被害、ある共通の人物に振り回されたとんでもない体験などなどを爆笑を交えながら語り合っていると、心がみるみる若返ってくる。

 そこに向かい合っているのは、紛れもない二人の「(心は)青年」なのであった。

 私たちは朝の9時過ぎに某所で落ち合い、昼食をはさんで、なんと3時近くまで倦むことなく語り続けた。

 もしも彼に時間があれば、お互いに高血圧を抱えながらも、間違いなく酒を混じえての「夜の部」へと突入したに違いない。

     *

 夕刻に隠れ家に戻ると、近所の家々の軒先にローイクラトン(灯籠流し・イーペン祭)を祝う提灯が飾られている。
ランタン1

ランタン2

 日が暮れると、家々のまわりや玄関口などに直径5センチ足らずの薄い円形の素焼きに流し込んで固めたローソクに灯が灯された。
階段点灯

 日本と同様の線香花火を灯している人もいる。

 花火の音が轟き出した。

 その音に誘われて外に出ると、道沿いの商店の店先にもずらりとローソクが灯り、昼間は殺風景な通りが幻想的な祭りの舞台へと姿を変えていた(冒頭写真)。

     *

 夜空を仰げば、びっくりするほどに巨大な満月。
満月

 ローイクラトンは、陰暦12月の満月の夜に行われる祭りなのである。

 川方面の上空には、たくさんのコムローイ(熱気球式紙風船)が優雅な灯りをうかべながら、ゆらゆらと揺れ昇ってゆく。

 時折り空にあがる控えめな花火の音と、光の色彩の炸裂。

 ターペー門などの観光名所で行われる派手な演出ではなく、こうした郊外の田舎町で静かに営まれている昔ながらの祭りの形に触れることのできた貴重な夜であった。

    *

 部屋に戻ると、ひとりビールの栓を抜いた。

 親友のウイワットは、今夜は仕事で街に出ている。

 グラスを掲げた相手は、空漠とした私の心に、そして人生の再出発という新たなる「祭り」に温かな灯をともしてくれたこの親友と、再会した大恩人Xさんの二人であることは言うまでもないだろう。

 2回目の乾杯は、日本からいつも温かく見守っていてくださる二人の大恩人、そして年老いた心優しき我が姉に捧げた。

*もしも、運転手付きワゴン車&乗用車が必要になったら。
【連絡先】 SV GLOW Co., Ltd.
*日本語専用電話 09-3291-0786 (広報支援ボランティア直通)     
*日本語専用e-mail : bestdrive-chiangmai@yahoo.co.jp
*URL : https://www.facebook.com/kunta2627/?modal=admin_todo_tour

★あなたのワンクリックが爺様を救う!?
 今日も応援クリックをよろしく!

アジア(海外生活・情報)ランキング

★クンター、本日のお薦めです。