お札の花

 夜空には、ほぼ満月に近い白い月が煌煌と輝いている。

 昨日21日は満月前夜。

 コムローイ(熱気球式紙風船)で有名になったローイクラトン(灯籠流し・イーペン祭)は、毎年陰暦12月の満月の夜に行われるしきたりだ。

     *

 今年の場合は、今日22日の満月の夜を前後にはさんでの3日間が行事化されているから、昨夜はいわゆる前夜祭に当った。

 近所の家々の玄関口には色とりどりの提灯が飾られ、今夜のろうそく点火を待っている。

 遠くから、花火の爆音が響いてきた。

 市街地では、すでにお祭り騒ぎが始まっているのだろうか。

     *

 これに先立って、私の隠れ家のある郊外の村ではタンブン祭が行われた。

 タンブンとは功徳、寄進などと訳され、一般的にはお寺や僧侶に対する喜捨のことをさす。

 通常はお札を入れた封筒、食物、市販のタンブンセットなどが喜捨されるわけだが、続々と辻の角にある集会所に集まって来た人々が抱えてきたのは、なんと山のような「お札の花束」である。
札と人

 この方式では、割った竹の先に大は1,000バーツから小は20バーツまで、色とりどりのお札を挟むのが一般的だ。
お札と人

 しかし、中には20バーツ札を丸めるように細工して独自の花束を作ったり。
20バーツ

 それらを紙で作った花の中に組み込んで、まるで前衛アート生花(?)のように見せている人もいる。
花束

 ともかくも無一物、最小限の身の回り品だけを手に家を飛び出して来た流浪の身にとっては、よだれを垂らして引きつけを起こしそうな衝撃的な光景なのである。

 咄嗟に右手を伸ばして、鷲掴みしたくなる衝動をかろうじて抑えた。

「これを全部タンブンするくらいなら、哀れな身の上のこの俺様にちっとでも分けてくれろよお!」

 思わず、そんな罰当たりな科白を呟いたのも無理からぬ境遇なのである。
ワニとムカデ
   
 仏陀の使者とされる縁起物のワニとムカデの旗を先頭に、隊列が組まれた。
出発

 色鮮やかな伝統衣装に身を包んだ老若の女性たちが、記念撮影に収まる。
記念撮影

 そのあとは、お決まりの自撮りである。
自撮り

 笛と太鼓の4人組楽隊が賑やかに音楽を奏で始めた。
楽隊

 この音楽に従って、華やかな行列はタンブンのためにしずしずと町外れの寺に向かって動き始める。
お供え

 ああ、無情!

 垂涎のお札の花束が、私の手から遠ざかってゆく。

 なんとか、一枚でも二枚でもこっそり抜き取る方法はないものだろうか。

 そんな浅ましいことを考えながら、いつかはやって来るかもしれない好機(?)を窺うべく、私もこっそりと行列の末尾に加わった。

 あ、そうだ!

 今日はとりあえず改心して真面目に仏陀様にお参りを済ませ、明日は強欲に念じつつ宝くじ様におすがりすることとしよう。

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