ジョック

 朝6時半過ぎに米を研いで、飯を炊き。

 ついでに、「なんで、こんなことしなけりゃならんのだ」と怒りを噛み殺しつつ、昨夜バカ息子や友だちどもが食い散らかした食器まで一緒に洗い。

 次にナタで薪を割って、嫁が囲炉裏で料理用の焚火を熾すのを手伝い(彼女が二日酔いのときは自分で簡単なものを作る)。

 唐辛子やニンニクやミニ玉ねぎを、小臼でコンコンコンと搗き。

 あるいは、それらを熾き火であぶってナムプリック(唐辛子タレ)の下ごしらえをし。

 すでに1〜2杯焼酎をひっかけたらしい嫁に言われて、痛む腰を叩きながら庭に植えたレモンハーブやタイ生姜やウコンを掘り出し。

      *

 途中で近所のタダ酒呑み連中が乱入してくれば、そのうるささや料理の遅滞にぐっと我慢を重ね。

 水曜日になると、町の水曜市にひとりで買い出しに出かけ。

 戻ってくれば、「野菜が足りない」だの「魚が古い」などと文句を言われ。

 料理が長引いて、下手をすると朝9時になっても朝飯にありつけない・・・。

 そんな理不尽な日常に堪えて来た爺様にとって、今の「緊急避難生活」はまるで極楽のようなものである。

     *

 毎朝2時、3時に目が覚めて、それ以上眠れなくなるのはとても辛い事だが。

 ふらふらしながらも、朝6時半頃には散歩に出かけ、朝陽を迎える。

 1時間近い散歩が終わって腹が空けば、そのまま粥屋に立ち寄って一本指を立て、いつものジョック(タイ式煮込みおかゆ)を注文する。

 ゆがいた豚叩き肉と半熟卵と生姜のみじん切りと2種の香草をまぶして、料金は30バーツ(約100円)なり。

 あとは、タイ醤油、搗いた乾燥赤唐辛子、レモン酢などを好みに応じてかけ、チョーン(アルミ蓮華)でかきまわしながらふうふうと食す。

     *

 市販のインスタント・ジョックといえば、いわば離乳食のようなもので、4袋(40バーツ)煮ても、あんまり腹にはたまらない。

 しかし、ここのジョックは「日本のおかゆ直前」といった絶妙な米のとろけ具合で、炊いた飯にスープをぶっかけただけのようなスカスカのカオトォム(タイ式おかゆ)よりもずっと食べ応えがある。

 しかも、たっぷり盛りつけてくれるから、昼飯まで充分に保つのである。

      *

 なによりも嬉しいのは、毎朝通ってすっかり顔なじみになったオヤジの優しい笑顔である。

 店先に立てばニカッと前歯を見せて、注文せずとも手早く「いつものやつ」を出してくれるようになった。

 勘定の際、脇でコーヒーを売る女房ともども、今やオムコイの飯屋や諸店舗でも滅多に聞かれなくなった「コップン・クラップ(ありがとう)」を丁寧に言ってくれることも、朝にふさわしい爽やかな気分にさせてくれるのである。

 今日も、いただきます!

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