千手観音

 山奥の村を離れてから、まともに眠ったことがない。

 平均睡眠時間は、4〜5時間。

 いくら酒や催眠剤で丸め込もうとしても、深夜の2時、3時になると、「不眠の虫」がざわざわと騒ぎ出す。

 ひとつには、窓のカーテンが薄いために、泥棒除けに灯された軒灯、ガレージ灯の明かりがカーテン越しに差込んで明るい、ということもあるのだろう。

      *

 むろん、年寄りのことであるからして、村にいたときも深夜や明け方に小用に立つ事はあった。

 しかし、催眠剤を追加すれば再び眠りに落ちたり、うつらうつらとして朝を迎える事ができたのだ。

 けれど、たった一人のこの部屋では、頭と胸にさまざまな想いが充満して、まったく寝直しができないのである。

 高血圧症患者のくせして、やけくそに煙草を吹かし、狭い部屋の中をウロウロしたり、まだ暗い窓の外を眺めたあとで、すぐに諦めて顔を洗うしかない。

 そして、朦朧とした頭でネットチェックを始めるのである。

     *

 だからして、空が明るんでくる6時過ぎになると、すっかりふらふら、よれよれだ。

 でも、ここでふとんに潜り込んでも眠れないことは分かっている。

 そこで、勇を振るって朝の散歩に出る。

 二日目に、小さな公園と祠のようなものを見つけた。
観音遠景

 近づいてみると、なんと「四面観音菩薩」(たぶん)が祭ってある。

 念のために、通りがかりの老婆に訊くと、少し考えたあとで「ヒンドゥー」と呟いたから、間違いはないだろう。

 そばによって仰げば、なかなかにいいお顔だ。

 なんだか、「頭と胸の肩こり」のようなものがすーっと溶けて行くような気がした。
象

 四隅で菩薩を守る銀色の子象や、お供えの愛らしい置物の数々が、微笑みを誘う。
象の置物

 ここで毎朝お参りと体操をすれば、きっとまた眠れるようになるかもしれないなあ。
置物



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