チェンマイで悠々として急げ!

カレン族の村から迷い出たクンター(爺様)のよれよれ、とぼとぼ「再生記」

おかげさま!

 いやあ、ようやく形になってきました。

 この一ヶ月、爺様が商売繁盛へ向けての手助けをしてきた友人のカービジネス。

 グルンテープ(バンコク)の空から、突如として強力な援軍も降臨して、極貧&貧血でふらふらの爺様、興奮が過ぎてますます持病の高血圧と不眠症が亢進しているのでありまする。

 けんど、あんたはん。

 その割りには、食欲もビール欲もやけに旺盛でんなあ。

 ・・・てへへ。

     *

 昨夜は、目をしょぼしょぼさせながら、ついに専用ウェブサイトも立ち上げた。

 とはいっても、この死に損ないの爺様にはホームページを作るなんぞという技量も資金もない。

 そこで力を借りたのが、Facebookの「ページ」という機能であります。

 そうです、そうです。

 Facebookをおやりの方なら、すでにご存知のはず。

 去る5月、やむなく閉鎖したカレン族生活体験宿「オムコイ・バンブーハウス」も、以前はこのページで拙い宣伝をしておりました。

 もっとも、個人用とビジネス用の記事を並行して書くことが面倒になり、すぐに休止状態に陥ったのではあるのだけれど。

     *

 ところがどっこい、この死に体のウェブサイト、どういうわけか、今でも毎日のようにアクセスする読者がいるんですなあ。

 つい先日、村を離れてからもずっと放置していることにハッと気がついて、投げやりな短い閉館のご挨拶を投稿したのだけれど。

 驚くべきことに、こちらが腰を抜かすほど迅速に、しかもたくさんのリアクションが送られてきた。

 そうして、それ以降も絶えずアクセスが続いているのである。

 それほど、「オムコイ・バンブーハウス」はたくさんの人たちに愛されてきたんだなあ。

 そう思うと、近年とみに涙腺が崩壊してきた爺様、こうしている今も、白内障予備軍のつぶらな瞳には、カレン、も、もとい、もとい!

 可憐なる涙があふれて来るのでありましたよお。

      *

 Yahoo!検索やGoogle検索に「チェンマイフレンドリー・カーサービス」と入力すれば、ジャンプすることができます。

 どうかお目通しの上、できればしっかりと「いいね」や「超いいね」をクリックしてくだされば。

 それがまたFacebookからの余計なお節介、も、もとい、「適切なるビジネスアドバイス」へとつながり、友人のカーサービスにこの世の春(?)をもたらすに違いありますまい。

 本日、お忙しいながらもご来場の皆々様方!

 隅から隅まで、ずず〜いとお願いつかまつりまする次第にござりまするう〜。

 どんどどん、どどんどん♪(効果音です)。

 幕。

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★クンター、今日のお薦めです。

冒頭

 一昨日の夕暮れ時。

 晩飯のおかずを買いに出ると、総菜屋のあたりの雰囲気がどうもいつもとは違っている。

 おかしいなあ?

 そう思いつつ近寄ってゆくと、すぐ向こう側の食堂の鉄柵とそれを支えるコンクリートの柱や壁が、根こそぎなぎ倒され、ぶち壊れているではないか。

事故直後


 あちゃ〜ッ!

 一体、何が起きたんだあ?

     *

 実はこの小さな食堂、11月21日に書いた「神様、仏様、カオソーイ様」という記事で紹介した“究極のカオソーイ”を出す店なのである。

 決して、専門店というわけではない。

 だが、12月5日付けの「カオソーイで幸せになる方法」の中でも触れたように、チェンマイの某有名店をはるかに凌ぐ気品と気迫に満ちたカオソーイを作って、貪欲な爺様の胃袋を日々、歓喜の渦で満たしてくれているのであった。

事故1時間前


 そ、その“究極のカ、カオソーイ屋”が、い、いま、爺様の目の前で、む、無惨な姿をさらしている、あわわ・・・。

 これをショックと言わずして、何をショックと呼べばいいのだろうか。

 ガーン!

 これで、あの歓喜のカオソーイは二度と食べられないのだろうか?

     *

 そこへ、すっかり顔なじみになった女将さんがひょいと顔を出した。

 おお、無事だったのか!?

 この女将さんや親爺さんの安否をさておいて、先ずはカオソーイの安否を気にかけた自分を大いに恥じながら、爺様は訊いた。

「一体、どうしたの?」

「どうしたもこうしたも、クルマが店にいきなり突っ込んで来たんだよ!」

「親爺さんは無事かい?」

「ああ、大丈夫だったよ」

「酔っ払い運転?」

「いいや、女の運転手が事故に巻き込まれそうになって、ハンドルを切り損ねたらしいんだ」

検分痕2

検分痕1


 彼女の話をまとめると、こうだ。

 今日の午後2時頃、店寄りの左車線を走って来たクルマが、凄い勢いで突っ込んで来て、頑丈なはずの鉄柵をドガンドガン、ガギガキガキとなぎ倒した。

 クルマはそのまま止まったからいいようなものの、もしももっと勢いがついていたら、目と鼻の先にある調理台の向こうに立って作業していた二人も、決して無事では済まなかっただろう。

 女性の運転手がハンドルを切り損なった原因は、対向車線を走って来たクルマが、いきなり車線を超えて彼女の目の前に迫って来たからなのだ、という。

 おお、怖わ・・・。

     *

 午後2時といえば、爺様がこの店で昼食のカオソーイを食べていたちょうど1時間あとだ。

 そして、爺様が座っていたテーブルは、この調理台の斜め前くらいに置かれていた。

厨房の前


奥にテーブル


 もしも、その時間にクルマが突っ込んで来ていたとしたら、直接的な被害は受けなくとも、心臓マヒかなんかでとっくに昇天していたかもしれない。

 おお、怖わ・・・。

     *

「今日は、無事にカオソーイが食べられるのだろうか?」

 翌朝になって、早くも昼飯の心配をしながら現場を覗きに行くと。

処理工事


 すでに業者がやって来ており、破壊された鉄柵やコンクリートの撤収作業を行っていた。

 調理台には覆いがされて、とても調理などできそうには見えない。

 ああ、今日は休みかあ。

 がっくりだなあ。

 そんなら、お昼はどこで何を食べようか。

     *

 そんな能天気なことを考えていたら、奥から親爺が顔を出した。

「今日は休みなの?」

「ああ、これじゃあ、とても商売なんかできないよ」

 親爺はあたりを指差して、大きな溜め息をついた。

「工事が始まったんだね」

「ああ、この残骸を全部どけて、新しく作り直すのに4日はかかるんだそうだ」

「え? 4日も!」 

 目の前が暗くなる。

     *

 ああ、この先96時間、私は一体どうやって生きて行けばいいのだろう。

「ねえねえ、親爺さん。カオソーイは手間がかかるから無理にしても、せめてカオマンガイ(蒸し鶏のご飯載せ)くらいは、こっそりと俺だけのために作ってくれないかなあ」

 いかに本音とはいえ、この傷心の親爺の前ではとてもそんなことは言えない。

 言えば、瞬時に首を絞めて殺されるだろう。

「貰い事故の上に4日も休業させられたんじゃあ、それこそ堪んないよね。頭が痛いだろうけど、せいぜい骨休みと考えてさ。また、カオソーイ食えるのを楽しみにしてるから」

     *

 滅茶苦茶なタイ語で意味が通じたかどうかは知らないが、ともかく、「そんな励ましを言ったのだ」という心で、現場をあとにした。

 休業分の補償や再建工事費は、どうやら保険でまかなえるらしい。

 それだけが、せめてもの救いだろう。

 96時間の時空を経て、たくましく甦れ、わが究極のカオソーイよ!

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★クンター、今日のお薦めです。

パンジェ自転車
 
 ジェさん、この懐かしい写真を見てくれていますか?

 徳さんに頼んで出してもらった僕のお願いメールは届いていますか?

 あんなものはどうでもいいから、とにかく元気かどうかを知らせてください。

 僕も徳さんも、ヤキモキしながら返事を待っています。

 徳さんなんか、酔っ払うと毎晩ひとりで泣いています。

 僕も、今夜からそうしたいと思います。

 死んだのなら死んだと天国からそうハッキリ言ってくれなければ、こちらも旨い酒が飲めません(笑)。

 返事は、右枠の「お問い合わせフォーム」が非公開メールとして使えます。

 どうか、元気でいてくれますように!

 逢いたいなあ、ジェさんに。

                      クンター吉田より。

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★クンター、今日のお薦めです。

朝焼け

 たった一人で生きるのは、なんて自由なんだろう。

 昨日の早朝。

 息を呑むような壮麗な朝焼けに見入りながら、つくづくとそう思った。

     *

 爺様の髪がまだ豊かだった52歳の秋。

 20歳の頃から付き合って来たカミさんが先に逝った。

 そのときには、たった一人で生きるのはなんて辛いことなのだろうとつくづくと思った。

 そして、極度の不眠と鬱のどん底から一転して躁状態に転じ、狂ったように旅の日々に身を投じた。

 そうして、気づいたら山奥のカレン族の村で暮らし始めていた。

 そばには、新たなパートナーとその家族がいた。

     *

 今は、その重い軛(くびき)から逃れ、10数年振りにたった一人での自由な暮らしが始まっている。

 たとえば、軽い空腹を感じて田舎町をぶらりと歩く。

 すっかり顔なじみになった総菜屋で、一袋20バーツのゲーンキヨワーン(ココナッツミルク入り緑色甘味カレー)を購う。

 数軒隣りの米屋で、5バーツの炊きたて餅米も。

 噛みしめるごとに甘みが増して、旨いんだなあ、これが。

 ちょっと考えてから、53バーツのビアチャン(象印ビール)のボトルを買う。

 九州の姉に知れたら、また叱られるだろうが、今日はよく働いたから、まあ、許してもらうことにしよう。

     *

 今夜の夕食代は、合計78バーツ。

 これに朝食のジョック30バーツ、昼食のカオソーイ+ご飯の35バーツを足しても、今日1日の食事代(ビール含む)は合計143バーツ(約500円)だ。

 村に居て家族分の昼食用麺類を買えば、そんな額はすぐに吹っ飛んでしまう。

 まあ、なんという極貧生活。

 しかし、まあ、何という極楽生活。

 ああ、自由だなあとつくづくと思う。

 第一、これらの食事を作る手間などなんもにかからないのである。

 朝の米研ぎ、飯炊き、皿洗い、薪割り、火熾しから始まる気の遠くなるような村の時間を思えば、これはまさに極楽=楽園としか言い様のない世界なのだ。

     *

 たとえば、飲料水が切れたらどうするか?

 村では、10リットル入りのタンクを抱えてバイクに乗り、雑貨屋まで交換(20バーツ)に行かなければならない。
 
 そして、家に戻ると腰をかばいながら、その重たいタンクを抱えて奥の母屋まで運ばなければならない。

 ときにはバイクの運転を誤って、転倒することもある。

     *

 ここでは週に1回、水屋さんがペットボトル20本入りのケースを30バーツで交換に来てくれる。

 店で買えば10バーツはするボトル1個が、わずか1,5バーツである。

 その水が切れたら、徒歩1分の自動販売機まで空ボトル2個を手にして歩けばいい。

 1バーツ硬貨を投入すると、店で買えば20バーツはするでっかいペットボトルがあっという間に満杯になり、2本目のボトルが半分くらいまで満ちてしまう。

 10リットルのタンクを満杯にしても、わずか10バーツである。

     *

 洗濯も、徒歩1分のコインランドリーで10バーツ硬貨を2枚投入すれば、あとは1時間待って回収に行くだけだ。

 部屋の脇にある隣人の竹竿を拝借して干せば、昼過ぎに洗濯しても夕方にはすっかり乾いてしまうのである。

 大抵の買い物は、徒歩5分の雑貨屋で済んでしまう。

 それで間に合わなければ、ウオーキングを兼ねて徒歩15分の大型ショッピングセンターまで歩く。

 歳末のディスカウントセールで、こちらがビックリするくらいの値下げをしてくれる。

 先日、ウオーキング用に速乾性のスポーツシャツを2着、ズボンを1本、下着を1枚買ったとき、「ああ、これは800バーツを超えるな」と見積もったのだが、レジが打ち出した数字はなんと586バーツだった。

    *

 こうして細々とした数字を書いているのは、月予算の上限を超えないように、常に気を使って暮らしているからである。

 村での暮らしには、不条理な使途不明金があまりにも多過ぎた。

 それは、タイ嫁としては愛らしいほどにつましい額なのだが、極貧の爺様にとっては相当に過重な負担だった。

 そういえば、町に長く住んでいた老年スイス人男性は、その数十倍もの過重負担に根をあげて拒絶したところ、女房にナイフを突きつけられて、ついに母国へ逃げ帰ってしまった。

 たとえ入る額は雀の涙にしても、金銭の出入りをすべて自分で管理できることは、精神衛生上きわめてよろしいのである。

 買ったばかりのビニール袋を下げて、今や釣瓶落としに6時過ぎには暗くなってくる細道を歩きながら、こう思う。

 巷で喧伝される「夢のロングステイヤー暮らし」に較べれば、なんという極貧生活。

 だが、限りない自由に満ちた夢のような極楽=楽園生活。

朝陽昇った


「チェンマイ極貧楽園記」

 昨夜、ブログのタイトルをまたもやこう改めたのは、以上に述べたような深い想いに突き動かされたからである。

「チェンマイで悠々と急げ!」なんて、のんびりしたことは言っていられない。

 これからの暮らしは、限られた予算の中でギリギリの節約を行いながらの決死のサバイバル戦争なのである。

     *

 生き残れるかどうかは、すべて自らの管理および闘争能力にかかってくる。

 だから、自由ではあっても限りなく辛く、厳しい道のりなのである。

 でも、それは同時に、やっと手にした自由を守る闘いでもあるのだから、本質的にはきっと楽しいものであるに違いない。

 チョークディー!(タイ語でグッドラック)

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★クンター、今日のお薦めです。

冒頭幸せ

 おや?

 チェンマイ名物麺「カオソーイ」を食べながらニコニコしているこの女性。

 もしかして、昨日の記事で同じくニコニコしながら車椅子に乗っていた「迂闊の人」ではないか?

 そう思った読者も多いことだろう。

     *

 そうなんですよお。

 しかも、長い長い治療が終わったあとの解放の時間にではなく、病院に向かう直前のお昼どき。

 前夜に足首を強烈に捻って、もしかしたら骨にヒビでも入っているのではないかという不安と焦燥と緊張の中でのこの笑顔。

 この「幸せの人」の精神構造、いやメンタル・シチュエーション(言葉を和らげようと思ったのだが、同じか)は、一体どうなっておるのだろう。

     *

 ね、皆さんもきっとそう思うでしょ?

 むろん、爺さまだって猛烈にそう思いましたよお。

 なにせ、前夜は心配のあまりに(嘘です)一睡もできず、数時間もクルマを飛ばして(これも嘘)必死に救援に駆けつけたというのに。

 この「幸せの人」は開口一番、こう言ったのである。

「ああ、お腹がぺこぺこで〜す!」

 いくら、まともに歩けないから朝食が摂れなかったとはいえ、そりゃあ、あんまりだよお。

 これじゃあ、百年の恋も一気に冷めちまう。

 おっと、失望のあまりに言葉の洗濯、もとい、選択を完全に誤ってしまったわい。

     *

 悪いのは、カオソーイさんなのである。

 この絶望の淵に沈む「迂闊の人」を、瞬時にして満面の笑顔の「幸せの人」に変えたのは、このチョイワルのカオソーイさんなのである。

 バカバカバカ!

 おいおい、爺さんよお。

 んなバカなこと言ってる間に、麺が伸びちまうぜい。

 とっとと食って、とっとと書いちまいな!

 へいへい、読者の旦那さんにおかみさん、失礼いたしやした。

 おお、コワ・・・。

     *

 場所は、わが相棒が「チェンマイでナンバーワン」と強調するカオソーイ・サムージャイ。

 確かに人気店らしく、広い店内を地元の人や観光客が埋め尽くしている。

店内


 壮観とも言えるが、不安でもある。

 「人気店 名前が上がれば ただのケチ」

 江戸時代にはそんな川柳もあったように(ないか)、われわれが日常的に直面する哀しい現実である。

     *

 無愛想な店員によって運ばれてきた品を見て、瞬時に不安が的中したことを悟った。

 麺に混ぜ込むパッカドン(高菜漬け)とホンデーン(赤皮ミニ玉ねぎ)に、まったく気迫が込もっていない。

カオソイ1

 
 そんなものに気迫を込めてどうすんだ?

 そう問い詰められても困るのであるが、真のカオソーイ食いにとっては、これこそが理屈を超えた味の見極めどころなんですなあ。

 つまり、麺とスープの味の善し悪しは、食べずともこれを見た瞬間にぴたりと分かる。

 恋の行方も、ぴたりと当る。

 どうです、スープの底の生麺にも、その上にばらまかれた揚げ麺にも、まったく気迫を感じないでしょう?

カオソイ2


 そして、オレンジ色のはずのスープが白く濁っているのも不快であります。

 その上に、さっきの高菜漬けとミニ玉ねぎの刻みをドサッとふりかけてみると。

 どうです、この見た目の貧弱さ。

カオソイ3


 ああ、情けない。

 ここで、先月21日の記事「神様、仏様、カオソーイ様!」で紹介した、わが隠れ里の究極のカオソーイの写真と較べてみれば。

俺のカオソイ


 ほらね、違いは一目瞭然でしょう?

 どだい、人品、もとい、麺品の格が違うのである。

 しかも、値段はこちらの方が10バーツも安いのである。

     *
 
 おっと、あんまり文句ばかりを並べるのも、目の前でおいしそうに頬張っている「幸せの人」に悪いから。

 爺様、いい事を思いついた。

 (また、書いてもいいですか?)

 そうだ、京都へ行こう!

 じゃなかった、カレーライスにしよう!

 そこで一皿のライスをとり、二人で半分っこにした。

 これを残ったスープに放り込んでかきまぜると、あ〜ら不思議、日本風カレーライスの出来上がり。

カレーライス

 
 これは大正解だった。

 炊いたジャスミンライスの投入によってスープの味がまろみを増したのか、なかなかの味わいなのである。

 爺様と「幸せの人」とは目と目を見合わせて、熱くウインクを交わし合い、も、もとい、黙って頷き合うのだった。

アロイ!


 ああ、日本人に生まれて良かったなあ。

     *

 終わりがけになって、相棒が注文した豚肉の串刺しとサラダがようやく届いた。

串焼きサラダ


 実に間が抜けている。

 串刺しはここの売り物らしく、店頭で盛大に煙をあげながら炭火でジュージューと焼いているのである。

串焼き

 
 味はまあ、なんということもない。

 この手の串焼きにしては脂身が少ない、というのが唯一の取り柄か。

 だが、「幸せの人」もしきりに褒めていたように、特製らしいゴマ&ピーナッツだれはなかなかの深い味わいだ。

ゴマだれ

 
 付け合わせのキュウリ&ミニ玉ねぎ&ニンジンの刻みサラダが、口中をさっぱりとさせてくれる。

 今日一番うまいと思ったのは、甘酸っぱいドレッシングと共に味わうこの刻みサラダであった。

 やれやれ。

     *

 会計は、3人で260バーツ。

 麗しきレディの前であるからして、個別の値段は訊かなかったのだけれど。

 カオソーイが3人分で120バーツ、串焼きが80バーツとして。

 残りの60バーツは、一皿のライスと刻みサラダと店名入りのペットボトル1本分である。

 爺様の北タイ標準常識からすれば、ライス10バーツ、水10バーツ、刻みサラダもせいぜい高く見積もって20バーツというところだ。

 あとの20バーツは、一体どこへ行ったのだ?

 責任者よ、出て来〜い!

     *

 こんなんだったら、カオソーイを50バーツにした方が、よっぽど良心的だと思うけどなあ。

 そうすれば客は「人気店」という虚名ではなく、それが50バーツの値段に見合う味わいかどうか、本気で吟味するはずである。

看板


 客の数は、相当に減るかも知れない。

 でも、その見識を、金に糸目をつけない中国人ツーリストを初めとする観光客に求めるのは酷というものだろう。

 お〜っと、今日の爺様、ちょっと渋みがあって、なかなかカッコよくない?

 コホン。

 おあとが、よろしいようで。

 チャンチャン♪

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車椅子

 いやあ、また再びゲスト紹介ができるとは、夢にも思わなかったなあ。

 しかも、このゲスト、ブログにもってこいの「悲惨なお笑いネタ(失礼!)」を提供してくれた上に、なおかつ、その公開を積極的に許してくれたのだから、こんなにありがたいことはない。

 爺様も久々に「現役番頭さん」の心に戻って、いそいそと元ゲストのお世話を楽しんだのであった。

     *

 その懐かしい人は、番頭さんが隠遁生活を送る「隠れ里」からちょっと離れた市街地の中心部に、とんでもない姿で現れた。

 なんと、左の足首に日本手拭を巻き付け、びっこ(これ、官僚からすると差別語であるらしい)を引きつつ歩み寄ってきたのである。

 あちゃ〜!

 やっぱり、かなりの重症だったのだなあ。

     *

 「事件」は、その前夜に勃発した。

 非情にも新婚ホヤホヤの愛しき旦那様を放り出し、一ヶ月に及ぶミャンマーへの一人旅を敢行して、ようやく無事チェンマイに辿りついたその翌日。

 この「非情の人」は、友と共にナイトバザールに遊びに出たその5分後、突如として「迂闊の人」に転生した。

 生理的欲求に堪え切れず、暗闇の中の迷路を突進して段差に蹴つまづき、転倒しながら左足首のあたりから「ブチッ」という何かが切れるような音を、確かに聞いたのだった。

 つまり、こけちゃって、やっちゃったのですなあ。

 たぶん、捻挫・・・。

     *

 この「迂闊の人」の迂闊たるゆえんは、その後の行動に明らかだ。

「すぐにアパートに戻って、冷やした方がいい」という番頭さんの指示にも関わらず、久々に会った友に気兼ねして(だかどうか)、そのままナイトライフを楽しんじゃったのである。

 その様子は、Facebook上のチャットで逐次報告されて来たのだが、いつまで経ってもなかなか帰ろうとしない。

 こ、こらあ!

 そのたびに、番頭さん、ハラハラ、イライラ。

 おや、まだ外に居るのか・・・。

 まったく、もう・・・。

 おお、やっと帰ったか・・・。

 やれやれ、ふう。

     *

 さて、一夜が明けて。

 様子を訊くと、まともに歩けないらしい。

 だから、言ったでしょ、まったく、もう、ブツブツブツ・・・。

 番頭さん、この日は用事があって街に出る予定だ。

 タイミングとしては、非情に、もとい、非常によろしい。

 用事が済み次第、ただちに救援に向かう事にした。

 そして、冒頭に書いたような「とんでもない姿」での再会と相成った次第。

     *

 時刻は、ちょうど昼前。

 そのまま病院に向かい、午後一番の予約をするのかと思いきや、それはカード付帯海外傷害保険適用確認の電話の際に済ましてあるという。

「それよりも、おなかがぺこぺこです!」

 訊けば、まともに歩けないので朝から何も食べていないのだそうな。

 そこで、相棒が「ナンバーワン」と連呼するさる某有名カオソーイ専門店に直行することになったのだが、そこにおける「迂闊の人」の幸せそうな笑顔は、この稿の悲惨(?)な状況にはマッチしない。

 それはまた、明日にでも書くとして、そのまま病院へと話を運ぼう。

    *

 午後1時過ぎに着いたのは、かつて番頭さんも治療を受けた事のある有名な私立病院だ。

 これは、保険会社による選択らしい。

 ほぼ10年ぶりに訪れた番頭さん、1階フロアの様変わりに茫然となった。

 やけに親切な女性スタッフたちの世話で書類に記入していると、通訳係の日本人女性がやって来た。

 やれやれ、これで番頭さんはお役御免だ。

 うまいカオソーイを食べて、今や「幸せの人」となった彼女は、次に「車椅子の人」となってスタッフに押されながら外科待合室に向かった。

    *

 やけに、待ち時間が長い。

 午後3時頃になって、ようやく診察と治療が終わった。

 だが、彼女の顔にはなぜか疲れが見えない(その理由はのちに明らかになる)。

 左足首が、補助具でがっちりと固定されている。

 足は相当に腫れて、鬱血しているようだ。

 ああ、痛々しい。

 チェンマイを楽しもうとした矢先に、気の毒なことになったものだ。

足首固定


 訊けば、レントゲン撮影で骨に異常はなく足首の小さな腱の一部が微小な断裂を起こしたらしい。

 つまり、軽度の捻挫であろう。

 それでも、全治3週間。

 なんと、松葉杖も用意されている。

 しかし、彼女の表情は明るい。

 というか、ニコニコ顔なのである。

ウイワットバック


 若い担当医師が、まるで映画俳優のようにすらりと背が高く、超ハンサムだったのだそうな。

「別に再診の必要はなさそうだけど、彼に会いにまた来ようかな」

 こらこら、何を考えているんだあ!

     *

 これで終了かと思いきや、「満面笑顔の車椅子の人」はスタッフにの手によって上階のリハビリ室に連行されて行った。

 サイドバーを使って足の位置や運びを練習すると、実際に松葉杖を使っての歩行訓練だ。

松葉杖


 二人のスタッフが甲斐甲斐しく付き添って、両側からがっちりガードする。

 亡き妻が30代初めに頸椎損傷を負ったために、番頭さん、リハビリには詳しいのだが、こんな光景、日本の病院では見たことがない(もっとも、10数年前の話ではあるけれど)。

 ご丁寧に、昇降練習用の階段まで設けてある。

 傍目で見ていても、下りはかなり怖そうだ。

「一歩歩くたびに、スタッフが上手、上手と褒めてくれるんです。まるで、赤ちゃんになったみたいで嬉しいな」

 全治3週間の「松葉杖の人」は、この海外での悲惨な体験をむしろ楽しんでいる様子だ。

 いい根性してるなあ。

     *

 最後に、痛み止めと湿布薬を受け取るために受け付けカウンター前で待つ。

 番号を呼ばれて彼女が自分で車椅子を動かそうとすると、すぐに制止の声がかかり、付き添いのスタッフがやってきた。
 
 至れり尽くせりのサービスである。

 しかし、そのあとがいけない。

 どういうわけか、すでに受け取っている松葉杖がもうワンセット、彼女のために用意されたのだ。

 そうして、スタッフが受付カウンターに立てかけたその松葉杖が倒れて、彼女の古傷のある右ひざを直撃した。

「ああ、痛かったあ! あの瞬間は、捻挫した足首よりももっと痛かったですよお」

 やっぱり、ここは噂のタイランドなのである。

 ナッケー!(カレン語で困ったもんだ)

     *

 午後4時、すべてが終了した。

 それにしても、3時間は長いぞお。

 前夜、一睡もしていない番頭さんなぞ、椅子の上で何度も舟を漕いだくらいだ。

 領収証に記載された金額は、およそ6,300バーツ。

 支払いは、ゼロ。

 保険がなければ、旅人にとっては大変な負担になるところだった。

 相棒がクルマを玄関口に回すと、またもや二人のスタッフがやってきて、うやうやしく彼女の乗車を手伝ってくれる。

「まるで、女王様みた〜い!」

 彼女の胸の中で、映画俳優のような若いハンサム医師との再会への夢が、さらに大きく膨らんでいったことは言うまでもない。

 ・・・かどうかは、番頭さんは知らない。

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★クンター、今日のお薦めです。

th_ど正面

 いやあ、参った。

 昨夜は、睡眠薬ではない別のおいしいお薬を少しばかりたしなんで、午後11時にベッドに入ったのだけれど。

 何度も寝返りと溜め息を繰り返したあげく、零時半になっても眠る事ができない。

 とうとう諦めて起き出し、この記事を書く羽目になってしまったという次第。

     *

 本来なら本を読みたいところだが、村を去るときにいつでも戦闘態勢(?)に入れるよう、小さなデイバッグに詰めたのはたった一冊の文庫本だけだった。

 それも、野口英世の苛烈な生涯を描いた『遠き落日』(渡辺淳二著)2分冊のうち上巻だけという間抜け振り。

 これにはれっきとした理由もあるのだけれど、いま思い返しても腹が煮えくり返ってくるから、詳しくは書かない。

 もっとも、すでに手持ちの蔵書はすべて読み尽くして、再読、再々読、再々再読という状態だったから、さほどの未練はない。

 だが、この爺様、生まれついての活字中毒症状患者であるからして、本のない日常は椎名誠風に言えば「悶え苦しむ地獄の味噌蔵(?)」という症状を呈する。

 ええい、読めなければ、自分で面白い記事を書けばいいではないか!

 このヤケクソ気味の開き直りが、新ブログ開設以来、長めの記事を連日書き続けるエネルギーになっているのかも知れない。

     *

 さて、本題に入ろう。

 一昨日に書いた「天国のような奇蹟」という記事で冒頭を飾り、これまでになかったほどの「いいね」スタンプを頂戴した愛らしいポメラニアンの話題である。

th_愛らしい


 名前はシィリーという。

 あ、その意味は聞き忘れてしまったわいなあ(あとで訊くことにしよう)。

 この犬、実は昨日の記事「ネコも疑う驚愕の新事実」に登場した妙齢の美女の愛人、もとい愛犬なのである。

 愛らしくつぶらな漆黒の瞳。

 食べちゃいたいくらいに綺麗で、小さな小さなピンク色の舌。

 全身を覆う純白の体毛。

 そして、思わず微笑を誘う短めの足。

 初めて見たときには、「生きたぬいぐるみ」かと思うほどにムクムク、コロコロとしたその姿は、決死の大脱走(?)に疲れ果て、ささくれ立った爺様の心を一瞬にしてトロトロにとろけさせてくれたのである。

     *

 駄犬ラッキーを筆頭とするウチの3匹のバカ犬どもとは違って、無駄吠えは一切しない。

 いや、そういえば彼女が吠えたところを見た事がないほどに静かである。

 そして、隣家の阿呆犬どもがキャンキャン、ワンワン吠えたてて喧嘩を始めても、彼女は一切それに関わらず、距離を置いて黙って眺めているだけなのである。

 敷地内からも、滅多に出ることがない。

 用足しと玄関まわりの警備巡回以外にはほとんど敷地内にとどまり、しっかりと自分の領土を守っている。

 おそらく、犬の世界では相当の威厳を漂わせているのだろう。

 隣家の犬や近隣の犬が、敷地内に近づいたり、入って来る隙などはまったくないのである。

     *

 そんな彼女の唯一の欠点が、太り過ぎである。

 主食は市販のドッグフードだそうだが、私はまだ彼女が餌を食べているところを見たことがない。

 豚の骨やスープなど、残り物にも興味を示さない。

 鶏の骨でも、水牛の骨でも、なんでかんでも時間を構わず、ひたすら意地汚く喰らい尽くすウチのバカ犬どもと較べると、月とスッポンである。

 どだい人間の、もとい、犬の格が違うのである。

 それなのに、どうしてこんなに太っているのか?

 愛らし過ぎる顔貌と異なり、その全身を上から俯瞰すると、まるでタレパンダならぬ「タレ狸」の化身のように見えるから、思わず笑ってしまう。

th_タレたぬき


 すでに4歳で、人間で言えばお年頃なのである。

 もうちっと、ダイエットせねばなるまいなあ。

 近所の噂によれば、飼い主に似たのだという説がもっとも有力らしいが、それはプライバシーに触れる個人情報であるからして、論評は避けよう。

     *

 昨日のことだが、そのシィリーがとんでもない天才振りを発揮した。

 朝方、飼い主が短パンのポケットに入れていた1,000バーツ札をどこかに落としてしまったのである。

 家中が大騒ぎになったが、どこにも見つからない。

 捜索に疲れ果て、やむなく諦めかかったちょうどその時。

 飼い主の娘が、シィリーの犬小屋の前に1,000バーツを発見した。

「なあんだ、こんなところに落ちていたのかあ」

 飼い主と家族は、ホッと胸をなでおろして、この騒動は幕をおろそうとした。

     *

 ところが、直後に近所の人が家に駆け込んで来た。

「今さっき、あんたんとこの犬がお札みたいなものをくわえて、トコトコ家の方に走っていったんだけど、あれ、ひょっとして、本物のお札だったんじゃない?」

 ええっ!?

 嘘〜!

 しかも、そのシーンを目撃した近所の人は、他にもいっぱいいるのだそうな。

 ドヒャ〜ッ!

 またもや、大騒ぎになった。

 その1,000バーツ札をよくよく調べてみると、歯形はおろか、傷も汚れも破れた痕も、唾液の形跡すらも一切見つけられなかったという。

 つまり、飼い主がポケットから落としたままの状態で犬小屋の前で発見されたわけである。

 つまりである。

 (ああ、なんだかドキドキしてきたなあ)

 そこのあなた、心の準備はいいですか?

 オホン。

 では、僭越ながら。

 かの有名なポワロ探偵とは異なるピンク色の脳細胞の持ち主であるところのこの爺様探偵が、この事件の謎解きを始めます。

横顔ピンぼけ


 1,000バーツの紛失で、家中みんなが大騒ぎしていたその時刻。

 家まわりの警備巡回の途中でお札についた飼い主の匂いを嗅ぎつけたシィリーは、そこへトコトコと走り寄り。

 歯形や唾液がつかないように慎重に配慮したのかどうかは知らないが・・・。

 舌と唇を使ってすくいあげるように道路に落ちたお札を拾い上げ、そっと唇の間に挟み込み。

 そのまま、まっしぐらに自分の犬小屋まで戻って来た。

 という推理が成り立つわけですなあ。

 いや、あらゆる状況証拠を掻き集め、冷徹に分析すれば、まさしく、それこそが「事件」の真相であったことは間違いないだろう。

    *

 いやあ、それにしてもシィリーの脳力は並外れている。

 天才、と呼んでも過言ではないだろう。

 日本からはるばると届けられた重要な書類を、私たちが留守している間にズダボロに咬みちぎり、咬み裂いたウチのバカ犬ラッキーに、その爪の垢を飲ませたいくらいである。

 よしよし、シィリー。

 ご褒美は何がいい?

 あ、そうだ!

 首輪と引き綱がいいね。

 そうして、太り過ぎ防止のために、この爺様と一緒に朝のウオーキングを楽しもうよ。

 え? 

 アタシは、あの「名犬ラッシー」とは違って頭脳派だから、肉体派の好む下等なエクササイズなんか嫌いだ?

 ウヘッ。

 お前、ますます太るぞお!

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屋根の上のネコ1

 昨日の記事「天国のような奇蹟」で書いた隠れ家の電気代と水道代についての哲学的再考察である。

 タイに関心を寄せる読者の多くは、思わず眉に唾をつけたのではあるまいか。

 なにせ、ここ10数年間タイで暮らしてきた私自身でさえ、自分の頬っぺたをギュッとつねったくらいなのだから。

 信じられないのも、無理はない。

      *

 なにせ、電気代10バーツ、水道代20バーツで総計30バーツなのだからなあ。

 一人の読者が我がFacebookにコメントを寄せてくれたように、これじゃあ、ビール1本も買えやしないのである。

 現に、口の悪い友人の一人などは、「お前さん、記事を面白くする為に話を作っているんじゃないか」などと、やっかみ半分のメールを送りつけてきたくらいなのである。

 しかし、私は決して嘘は申しません。

 以下に、動かぬ証拠を開示すると共に、さらに発覚した驚愕の新事実を明らかにすることとしよう。

     *

 昨日の晩飯どき、大家の姪っ子さんが部屋代の領収書なるものを届けに来てくれた。

 はあ?

 領収証?

 まさか、こんなボロ家で(失礼!)そんなありがたいものを貰えるなんて夢にも思っていなかった私は、ひたすら恐縮した。

 ところが、その麗しき姪っ子様は、さらに私に一歩近づくと、まるで白魚のような指の右手をそっと差し伸べたのである。

 え?

 なに、この唐突なシチュエーション?

 まさか、新たなる誘惑?

     *

 んなこと、あるわきゃないのだが、すっかり逆上した爺様、思わずその手を握りしめようとした。

 そして、ハッと気がついた。

 彼女の紅葉のような(おいおい、白魚じゃなかったのかい)掌の上に、なんと真珠のようにきらめく3枚の1バーツ硬貨を認めたのである。

 はあ?

 混乱した爺様は、訳も分からずに彼女に右手を差し伸べ、茫然としながらその3枚の1バーツ硬貨を掌で受け止めた。
 
 硬貨には、彼女のかすかなぬくもりが感じられた。

 ふわん。

     *

 うっとりするような残り香を漂わせて、麗しき人が名残り惜しげに去ったあとで。

 爺さまは、彼女の残り香が薫る(しつこいなあ)くだんの領収書に、ウットリと眺め入った。

 そして、のけ反った。

 ガ、ガーン!

 そこにはなんと、朝方の衝撃に勝るとも劣らない驚愕の真実が隠されていたのであった。
領収証

 興奮のあまり混乱した話を整理すると、こういうことになる。

 昨日の朝方、大家さんが私に伝えた電気代10バーツは、実はたったの6バーツだったのである。

 そして、20バーツと言った水道代の方は、実は21バーツだったのである。

 従って、部屋代を含めたその合計額は、先進高度数学に基づいて算出すると、実は1,627バーツだったという形而上的な解となるのであるのである。

 皆さん、私の難解な数学理論について来れますかあ?

      *

 さて、朝方に大家さんを訪ねた際、この爺様はすでに1,630バーツを支払い済みだ。

 であるからして、領収書製作担当の姪っ子様は、厳密なるダブルチェックによって精密なる支払額を導き出し、私に対する誠の愛をつらぬくためにも、意を決して3バーツのお釣りを戻しにきてくれたということになる。

 私は人知れず、一筋の涙をそっと流した。

 この無心の愛に支えられた献身に感動せずして、あなたは一体、何に感動するというのだろうか?

 言ってみなさいよ、え?

 どうだ、どうなんだ?

 え?

     *

 ああ、今日はすっかり興奮のし続けで、自分でも何がなんだか分からなくなってきたわいなあ。

 火照った顔を冷ますべく、早朝の冷涼な空気を吸いに外に出ると、屋根の上の野良ネコまでが私を疑わしそうな顔で見つめている。

 しかも、合計3匹である(逃げるとまずいから超望遠を使ったらピンぼけだ)。
屋根の上のネコ2

 本当だってばあ。

 私は嘘は申しません。

 どこかの誰かさんみたいに、領収証の偽造なんて、決してやっておりませんよお。

 だって、ワタシ、タイ語が書けないんだも〜ん。

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シリー
 
 山奥の村を去ってから、ちょうど1ヶ月が過ぎた。

 あっという間に、しかし、実にたくさんの水が橋の下を流れていった。

 まるで、大増水した秋の長良川を、激流に翻弄されながら小さなカヤックで下るような、もみくちゃ、ハチャメチャなトライアルの連続であった。

 やれやれ、ふう〜。

     *

 いくつもの嬉しい再会があった。

 哀し過ぎる別れもあった。

 あれがあり、これがあり、ウロウロ、トボトボしているうちに、いつの間にやら新しい暮らしの形ができあがりつつあるような・・・。

 貧しくとも、解放感に満ちた時間と空間が、あたりには流れ、かつ広がっている。

 まだ、極度な不眠症を引きずってはいるものの、いずれ、

「♪そ〜のうち何とか、な〜るだろう〜♪」(by 植木等)

     *

 さて、サバイバルのためには飯も食わねばならぬし、夜露もしのがねばならぬ。

 そこで、まずは今月も寝場所を確保するために、大家の家を訪ねた。

 先月分の電気代と水道代を確認し、部屋代を払うためである。

 その値段次第では、今後の飯の質も変わってくる。

 ドキドキしながら、声をかけた。

「ああ、クンター、いらっしゃい! ちょっと、待ってね。ええと・・・。
 そうそう、電気代が10バーツ、水道代はちょっと高くて20バーツだね、ごめんよ」

 はあ?

     *

 ちょっと、ちょっと、大家さん!

 いくらなんでも、そりゃあないでしょう。

 あんた、僕より4つも年下でしょ?

 桁を間違えていない、桁を!?

 ちゃんと、老眼鏡のピントを合わせてよね。

 それとも、僕と同じで頭のネジが緩んできたのかい?

     *

 頭の中で喚きながら茫然と佇んでいると、彼女はケロリとしてこう言った。

「うん、合計30バーツに間違いないね。はいはい、ああ、ありがとう。確かに受け取りましたよ」

 部屋代1,600バーツ(1万6,000バーツではありません)も21世紀最大の奇蹟ではあるが、この総計30バーツは、一体なんと呼ぶべきか?

 ビッグバンにも相当する大衝撃であった。

     *

 へいへい、確かにわが部屋にはなんにもありませんよお。

 なにせ、身の回り品だけをまとめて飛び出して来たのだから、ないったら、ない。

 な〜んにも、ありゃしない。

 最初にとりあえず買ったのは、枕と掛け布団とベッドカバーと簡単な食器、石鹸、歯ブラシ等々。
 
 これだって、総計1,000バーツ以下なのである。

 豪華家電品となると、月632バーツのWi-Fiルーター、279バーツで購入した小型扇風機だけだ。

     *

 電気を食うものといえば、この二つとパソコンおよび携帯の充電だけなのである。

 それにしても、これだけ使って、本当に10バーツでいいのかあ?

 水道代は村の値段と同じだが、電気代はなんと村の40分の1。

 うへえ、参ったなあ。

 ここは、天国か?

     *

 ひょっとして、おいら、すでに死んじまったのかなあ?

 頭の中で、ザ・フォーク・クルセダーズが大ヒットさせた迷曲「帰って来たヨッパライ」のワンフレーズが鳴り響く。

「♪オラは死んじまっただ〜♪」

※曲の無料視聴はこちらから。
 https://www.uta-net.com/movie/1240/(コピー&ペーストで検索)

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姉ちゃんと

 昨夜10時、ベッドに入る直前になって。

 オムコイの病院で処方してもらっていた睡眠剤が、一粒も残っていないことに気がついた。

 あちゃ〜、参ったなあ。

 どうしよう?

     *

 オムコイを去ってからのこの一ヶ月。

 薬を飲んでも、3〜4時間しか眠れない日々が続いている。

 時には、一睡もできない夜もあった。

 これで薬がなかったら、一体どうなるのだろう。

 またもや、一睡もできないことになろうのだろうか。

      *

 だが、この時間になってあれこれ考えても仕方がない。

 晩飯のときに、少しばかり(?)たっぷりとウイスキーを飲んだせいか、いまは猛烈な眠気に襲われているのだ。

 ええい、思い切って寝てしまえ!

 ひるむ自分を叱りつけて、勢いよくふとんを引っかぶった。

      *

 眠りは、意外に早くやってきたようだ。

 夢も、見なかった。

 ハッと目が覚めて時計を見ると、まだ2時半。

 うーん、たった4時間半かあ・・・。

 トイレに立って寝直そうとしたが、もうどうにもならない。

 諦めて顔を洗いに行くと、洗面所の鏡に映った自分の顔がひどいことになっている。

 両目のまぶたが腫れ上がり、目の下のいわゆる「目袋」が隈になって浮き上がっているのだ。

 ついでに、眉毛の白髪も増えている。

 お早う、ハンサムくん!

      *

 だが、考え直してみれば、薬なしに4時間半も眠れたということは、大いに喜ぶべき「事件」ではあるまいか。

 睡眠剤をいつから処方してもらうようになったのか、正確なところはよく思い出せない。

 しかし、薬なしでは眠れない日々は、おそらく2年近くも続いてきただろう。

 あまりにも理不尽な事態が相次いでストレスが重なり、薬を飲んだ上に村の強い焼酎をさらにあおる、という滅茶苦茶な時期もあった。

 そして、ついに病に倒れた。

 だから、たとえ4時間半でも睡眠剤なしで眠れたことは、実に久しぶりの「快挙」と言うべきなのである。

 バンザーイ!

      *

 実は、つい先日の事なのだが。

 数十年前の理不尽な離婚以来、不眠と鬱と絶え間ない体調不良に苦しめられながら、今なお働き続けている心優しくも芯の強い姉から、こんなメールが届いていた。

「つい最近、私はようやく睡眠薬から離脱することができました。あなたにも、ぜひ、そうなって欲しいと心から願っています」

 ありがとう。

 ばってん、姉ちゃん、やったとばい!

 僕も、ついに薬なしで眠れたとよ!

 目の前に姉がいたら、抱きついてそう報告したい気分の朝である。

     *

 じっとしていられないので、ドアを開けて外に飛び出した。

 午前5時のいまの気温は25℃。

 風の冷たかった昨日とは違って、ゆるやかな朝の冷気が心地よい。

 まだ空に星はまたたいているが、そろそろウオーキングに出ようか。

      *

 おっと、その前に一服だ。

 今日も元気だ、煙草がうまい!

 ん?

 「高血圧のくせして、このバカタレが! 酒も煙草も、さっさと止めにゃんたい!」

 苦笑しながら優しく叱る姉の声を、聞いたような気がした。

「は〜い!」

 ちなみに、冒頭写真の下の上品なお坊っちゃまが私、隣りの愛らしい裸のお嬢ちゃんが姉である。

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